形のない贈り物

「リヴァイおたおめ〜 これ、プレゼント。我が調査兵団が初めて捕獲した記念すべきあの巨人モチーフの抱き枕…」
バターン。
ハンジ分隊長によって開けられたドアは、開くとすぐにそこへ向かって歩いて行った兵長の蹴りで乱暴に閉じられ鍵も下ろされた。

二人でソファに並んで座ってたの、分隊長から見えてたかな。私がそっと気配を殺しているとドアがドンドンと乱暴に叩かれる。

「ちょっと、せっかく誕生日プレゼントを持ってきたのに何その態度。鍵まで閉めんな。開ーけーろー」
「何がプレゼントだ。嫌がらせの間違いだろーが」
「三十路かつ独身の寂しいオッサンにお似合いのアイテムだと思ったんだけど」
「そうか。ならてめぇに似合いの蹴りをくれてやる」
「私は誕生日でもないし、慎み深いから遠慮するよ」

ドア越しに遣りあうリヴァイ兵長とハンジ分隊長の会話にペトラの目は大きく見開かれた。
今日が兵長のお誕生日だったなんて。私はちっとも知らなかった。

Ver1


Ver2


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